1976年3月6日、セカンド・アルバム「Back To Back」をリリースした直後、翌週に(8)「If You Wanna Boogie, Forget It」のシングル(!)が出るという時期のNYボトムラインでのライヴ。メンツはスティーブ・カーンg、ドン・グロルニックkey、ウィル・リーb&vo、クリス・パーカーds、サミー・フィゲロアperに加えてデヴイッド・サンボーンa.saxが3曲に参加。クレジットは無いが2本のギターが聞こえる曲もあり、バジー・フィートン(ランディが「フェイトン」でなく「フィートン」と言っている)がギターを弾く写真がジャケに掲載されているから彼が参加しているのだろうか。当時のメンバーのコメントを含む充実したライナーノーツから知ったことは、カーン、グロルニック、リー、パーカーは当時同じ建物に住んでおりよく一緒に演奏する間柄だったということ。これはグレッグ・レイクとクリス・スクワイア(合掌)が若いころにアパートをシェアしていたということに匹敵するくらいの事実ではないだろうか(そうでもないか...)。またランディ&マイケル、カーン、グロルニックが74年にオノ・ヨーコのバックで来日していたというのも知らなかった。そんな雑学ネタはさておき。内容はオープニングの(1)「Rocks」での兄弟の掛け合いソロからしてブットビもの。(5)「Night Flight」はマイケルが初めて書いた曲だというだけあってマイケルのソロが凄まじい。75年5月録音の同曲がボートラ収録されているのも気が利いている。全体的にパーカーのドラムがキレッキレなのに対してカーンは弾けば弾くほど悪くなる。音質は問題無いが、レコード発売を前提にしていたものではないから音の奥行きは無い。「ヘヴィー・メタル・ビーバップ」レベルを期待してはいけないが、ファンならば十二分に満足できるCD。★★★★
2015.4.24 HMV 輸入新品 1,538円