JUGEMテーマ:音楽
1964年のサード・アルバムを紙ジャケに買い替え。最もプロテスト・フォークシンガー的なアルバムと言われるが、ワタシの印象ではプロテスト・ソング、史実を歌ったもの、そしてラブ・ソングの三つのタイプの曲がある。プロテスト・ソングとしては(1)「時代は変わる」が「風に吹かれて」と並ぶ初期ディランの代表曲。(3)「神が味方」と(6)「しがない歩兵」もプロテストソングで、歌詞は分かりやすいが辛辣だ。特に、神が味方についていると主張して戦争を正当化する前者は今の極めて不安定な時代に共鳴する曲だ。史実を歌ったものには(2)「ホリス・ブラウンのバラッド」(9)「ハッティ・キャロルの寂しい死」があるが、ワタシ的にはストレートなフォークソングすぎてあまり惹かれない。そしてラブソングには(4)「いつもの朝に」(7)「スペイン革のブーツ」(10)「哀しい別れ」があり、どれもシミジミとした良い曲だ。(8)「船が入ってくるとき」はこのアルバムで最も明るく、朗々と歌われる曲だが、解説で中村とうよう先生が書いているように、「ディランが何を象徴しようとしているのか理解に苦しむ」歌詞で、三つのタイプのうちに入るかどうか判断がつかない。★★★★
2023.2.14 大阪ユニオン 中古紙ジャケ 730円